朝松作品リスト&レビュー

朝松健作品のリスト&解説+感想コーナーです。 現在作品の追加は管理人のみ可能となっています。
絞り込まない | タイトル一覧 | 検索フォーム表示 | 作品追加
絞り込み ア行 カ行 サ行 タ行 ナ行 ハ行 マ行 ヤ行 ラ行 ワ行

125 真田三妖伝

平均 0点
出版社祥伝社
レーベルノン・ノベル
出版年月2002/12
初出書き下ろし
ジャンル時代

面白い! 面白い! 面白すぎる!!
その展開の凄まじさに、もう夢中です。読むなり雰囲気に取り巻かれて、世界に引き込まれてしまって。こういう、読んでてアツくなれて、力強く「やった!」と想える物語って大好きなんです!!
それと、だごん様の作品では、「星辰」という単語がしばしば重要な意味あいを持つものとして使用されていますよね。今回もさっそく、大蔵大輔の科白をはじめここぞという時に出てくれているので、途方もないものを相手にしているという圧伏感が強く感じられています。
序章にて、「これまで」の歴史が語られつつ、その陰でひそかに進行していた悪魔の計略に、「これから」何が起こるのか、早くも楽しみになってきましたよ♪

――と想いながら読み進めていたら、いきなり才蔵さんが斬首されて、佐助さんが窮地に…。
「嘘やろ……」というのが正直な感想でした。
だって、真田十勇士は強くてカッコよくて、どんな強敵にもおそれず立ち向かって、中でもリーダー格の猿飛佐助さんと霧隠才蔵さんのおふたりは、決して負けない、無敵の――……
(そんな…そんな…)
霧隠才蔵が望月六郎さんで猿飛佐助が海野六郎さんだったと、その実がわかっても、それでも「真田十勇士の死」というのは信じられませんでした。最初は読みながら、「感想の書き出しは大久保長安のケバ趣味で」とか想っていたはずなのに、あまりの出来事に呆然とさせられるばかりで……。
「もし万が一にでも、本日招いた方々の星が、こちらの求めた星と異なれば……。つまり、おこと等が正しい星の持ち主でなければ、身共はもとより、おこと等も本日限りの命ですぞ」
大久保長安の言葉どおりになってしまいましたね……。
星がととのえられた庭で、さだめられるままに、決着されてしまって。
「行け。俺に構わず、早く行け――」
「甲賀流忍術死に夜がり――」
つらかったです。読みながら、死に瀕してのおふたりのさけびが聞こえて――……。
海野さんも望月さんも……真田十勇士の一員として活躍してきたおふたりですから、受けた衝撃は大きいです。当初はこんなことを考える余裕もありませんでした。
ここで退場してしまうための序章での見せ場だったのかと想うと悲しいですけど、見事な死に際でした。たとえ手をぐちゃぐちゃにされても、どれだけ刀を喰らっても、本当に、その身のほろぶ最後まで、自分が信じるもののために命を尽くされて……合掌。

真田忍びふたりを葬った御子丸たちは伊賀忍者たちでしたが、本当の敵は伊賀忍軍ではなく、その背後に控える勢――柳生一族。
そのひとりである柳生佐久夜姫の登場には、かなり強烈なものがありました。
険しい顔・妖しい流し眼と、ひとつひとつがとても印象的で――若衆の姿をしていることもあって、見せている表情がとてもなまめかしくて、妙にドキドキしてしまいました。…でも、問いにはっきり答えない御子丸(=家来)にイライラをつのらせたりする姿は、いかにもおひいさまですね(笑)。
しかし。
「新陰流、天狗秘法のうち、雷光」
鞘から抜き放つや、石火の動作で御子丸の身体を斬断した時の――その、剣技!!
一方の小笠原慶雲さんも、顔に似合わず怖い方。襲い来る根来集を次々と斬っては倒し斬っては捨て、吐かせるために残した最後のひとりにもまったく容赦をせず、拷問まがいの目にあわせて。
こんな化け物じみたのが相手だなんて……。
やばい…やばいよ、佐助さん!!

それにしても、海野さんが喝破し、半蔵たちが突き止めた、「ふたりの大久保長安」とは、一体どういうことなのでしょうか。
「忍法ふたり長安」
「忍者大久保長安」
こうかくと山田風太郎大人の短編みたいですが(笑)。
だけどそもそも、序章においてあんなことやこんなことをしてた大蔵大輔が、今回の〈招待者〉大久保長安と同一人物だとは到底想われません。そうなるとやはりデュマの『鉄仮面』みたいな双子とか、あるいは――……。
ともかくも、大久保邸には替え玉の死体が捨て置かれ、長安は柳生に幽閉されることに。
すべての秘密を握るキーパーソンが囚われるなんて、早くも先行きがあやしくなってきましたね。
茶入れのひとつは真田の手に。
もうひとつは、柳生の手に。
獲物は1:2で、出だしはまずは徳川有利な形勢になってしまいましたが。
第三勢力まで登場しての三つ巴戦ですが、でも、きっと巻き返してくれると信じてますよ!!

そもそも裏で此度の闘争を始めるきっかけになった、豊臣と徳川の現関係はどうなっているのかというと。
「余が就けば、たといそこが廊下であろうと、そこは上座。余がおらば、たとい僻遠の駅であろうと、そこが天下宇宙の中心である」
つくづくと、家康という人は気の毒な人であると思う。(信玄忍法帖)(笑)
――親子二代にわたって苦しめられようとは…天下を目前に笑えたのもつかの間、これじゃあ夜も寝てられませんよね。おいたわしや……。

無事に真田庄へ戻ってきた佐助さんと才蔵さん。
そういえばここで、闖入者を追い詰めながら、〈真田十勇士〉個々のざっとした自己紹介がなされてましたよね。読みながら、誰にも、「さすが〈真田十勇士〉!!」と想わせるものがありました。
まず佐助さん、もとい猿飛佐助さんは、やっぱりいつ見てもカッコイイです! 忍びとしての強さ以外にも、ひたむきな心や、敵のくノ一がまだ少女だったことに胸を痛めるやさしさもあわせ持っていて。小説ですから具体的なビジュアルはないものの、想えばいつだって、まっすぐな眼をしたやさしい笑顔の佐助さんが浮かびます。……そしてそのたび倒れそうになります。
「大丈夫ですかケイトさん!?」
「なあにたいしたこたぁねえ…。ちょっと動悸・息ぎれ・めまいが襲ってきただけでさぁ」
……スイマセンつまりは重症です。(←寝込むといいね…)
えと、えと、穴山小助さんは何かと気苦労が多そうなタイプですね。「女を殺すことなんぞ屁とも思っちゃいな」い割には、様子見てると何かと神経使ってそうですね(笑)。心配性でもあるみたいですし。仲間内でも世話を焼いたりして、特に才蔵さんと十蔵さんの間で肝煎るのはハラハラものみたいですが。ストレスで胃に穴あけたりされてないかしら…心配です。
三好清海さんは豪気な人ですね。いかにも大入道な容貌に加えて、武器も五尺鉄棒なのにかるがると扱うなんて、いさましくてとても頼りがいがありそうで、一緒にいると面白い、そんなおおらかさも感じられましたです。
そんな清海さんへの、甚八さん評。
「やれやれ、うるさいだけでなく気の短い坊主だ」
ごもっとも(笑)。あ、短いといえば、ついでに毛も…。(←…そういうシャレはいいから)
その清海さんの妹である伊三さんは男まさりな性格なんですね。お兄さまの影響なのでしょうか。そういえば「野生の豹」というたとえから、某パンテーラ姐さんを連想してしまいました(笑)。どこか通ずるものがありますけど、でも敵くノ一を気づかったりして、決して乱暴じゃないところに、伊三さんは奥ゆかしさがあるというか。
筧十蔵さんは何ていうか、さくさくした人。火薬師になってなかったら手妻で身を立ててたかも(笑)。でも成長期のためか、性格には老獪さがない分おさなさが見られ…あ、もちろんほめ言葉としての意味ですよ!?(あせあせ) そんな一面も含めて大好きなのです。それに、十蔵さんに関する描写って、ひとつひとつとってもスキですし。
それにしても……彼のような手妻師がいたら、破産するに違いない(私が)。公演の時には連日芝居小屋に通い詰めますよ〜!
……こほん。
気を取り直して根津甚八さんは、冗舌家みたいですね。と言うより、さっさと済ませる十蔵さんとは逆に物言いの長い性格みたい。でも甚八さんの〈暗夜くじり〉を見てると、どこか現代の催眠療法に通じるものがありますから、人の心の奥に踏み込むサイコセラピストには、それぐらいの気の長さが必要なのかも。
そして霧隠才蔵さんは、色河原。まごうかたなき色河原。笹子峠ではドライな面を見せたかと想えば、今度は自己紹介にも積極的なPRを入れてましたし(←「ただ一人、まともに」って…!/笑)、一方で誘い文句も忘れてませんし。その上ウィンクまでしてるし。ただ、どこか憎めないんですよね…。イエ私は断然佐助さん派ですが。

そして幸村さん・天海御坊によって少しずつ茶入れの謎が解かれていくわけですが。
まさかこういう〈解答〉だったとは、驚きました。
そして同時に、あの存在がにじみあがってきて……。
妖教・真言立川流。
この時代に生きる人たちがこの宗派の名を口の端のぼらせることをためらう気持ちが、いまではよく解ります。「逆宇宙ハンターズ」しかり、「一休さん」しかり、『百怪祭』しかり――わずかでも縁をもってしまった人たちが、一体どんな運命を辿らされたことか…。
真田のみなさんもまた地獄を見ることになるのかと想うと、いやで仕方ありませんでした。それをとても危惧していたのですが……。
なのに、幸村さんの言葉に反応する才蔵さんはいちいち面白かったです(笑)。出逢った女の話をしたり、まぜっかえしたり。
「そりゃあ……。外で女と寝る時の用意に大きめの袱紗くらいは持ってますがね。武士のたしなみに」
そうか…外で女と寝るのは武士のたしなみなのか…そうか…。(←そこにかかってるんじゃないよって)
ボケてしまう余裕も生まれてしまったり(笑)。
あと特に、不貞寝したと想えばまた起きたりは、「うわあ」と想ってしまいましたですよ…。甚八さんに肩すかしをくらった時といい、いいもの見せてもらいました…ごちそうさまです!(笑)
佐助さんも佐助さんで、才蔵さんの軽口に合いの手を、過ぎた時は止めの手を入れたり。幸村さんの考えが煮詰まったりして心情を察した時はかいがいしくお世話されてたりと、そんな純真さとやさしさでカバーされて……ええひとや…。
立川流が絡んできて、ともすれば重たくなる空気が、明るくゆるやかなものになって。
おかげさまで、こちらまでくすくす笑ってしまいました。これは佐助さん才蔵さんのお人柄によるところが大きいなあ、と感じました。

さて! 茶入れの謎もほぼ解けて指針も定まったことですし、真田のみなさんがいよいよ本格的に動き出すわけですが。
何だか早くも不安な影がさしてきてますよ……。
甚八さんは羅山の術を受けて体調崩されたそうで、精神のよるところが不安定そうですし。
しかも幸村さんがお由利さんに〈暗夜くじり〉をかけられて…。
佐助さん――みなさん、大丈夫なのでしょうか。
羅山たちも動き始めたようですし、柳生側の手配で日本中が一触即発のはりつめた空気でぴりぴりしていて。
眼の前にあまたの敵陣。身内には不穏分子。
内から外から崩されかねない状況で、この山場をいったいどう切り抜けていくのでしょうか。
佐助さん、信じてますよ…!

ふたたび、黒星帝苑。
単身、佐久夜姫指揮する柳生の捜索隊にまぎれた佐助さんでしたけど、ついにここで。この庭で。
《三光殿、ようこそ、御到来》
まるで――共鳴するように――
「柳生佐久夜じゃ」
「猿飛佐助だ」
星が整えられたこの黒星帝苑で、それは、あまりにも運命的な邂逅で――。
「星界の霊聴」が耳に響く中で、このふたりが。
――正面衝突!!
先に仕掛けた佐助さんは、神業的な体技を見せ、
「戸沢白雲斎直伝、新陰流表六技のうち、猿飛――」
対する佐久夜姫も、佐助さんの蹴りを防ぐや、
「天狗秘法のうち地蔵返し――参る」
両者一歩もひけをとらず、力のかぎり渡り合って。
邪魔こそ入ってしまいましたが、星ぼしが狂い、みだらな嬌声が谺する中で、闘うふたりの姿はあまりにも鮮烈で。
まるでそれは、夢幻のような瞬間に感じられました。

囚われの身となった佐助さんと佐久夜姫ですが。
いち早く覚醒して羅山の術を破る佐助さんはカッコよかったです…! 破術の苦しみに耐え抜く様子も、痛々しく想ってしまうよりも、力を込めて応援したくなるものがありましたし。
しかし、羅山……。
はっきり言います。私、こういうタイプって一番苦手です。上の者へはとことんへりくだって媚び売ってべんちゃら使って。そのくせ下の者へはとことん見下して横柄にいばり散らして。科白を読むだけで相当いやったらしい根性してるのが解るから目下の佐助さんがこんなのに意思の主導権を左右されてるのだと想うと、応援する気持ちはなおさら強まったり。
おまけに、本多佐渡守!
「かような乙な気分にさせられたは十五年振りじゃ」
かんべんしてよ……。(オエッ)
しかし…いつの世にもいるんですね、こーゆう人って。
「この手応えでは、うぬは生娘じゃな。ふ、ふ、生娘に胸ときめかすなど、何十年振りか……」
おっさんは回春モードに入ったモヨウ。(オイオイオイ)
でもこれじゃほんと、ノー○ンしゃぶしゃぶ行ってるどこぞの高級官僚と変わりませんよ。これだからいやですねもうろくじじいは。
そんな痴態をさんざん見せられたおかげで、いいかげん気分の悪さで胸が塞がれてしまいそうでしたけど、佐助さんが佐渡守をぶん殴った時は「……よし…!」素直に想ってしまってました。鉄拳制裁、おみごとな一撃でしたよ〜vv
そして、
「なにが、ふふふ、だ。この助平爺」
以来どの本でも、本多佐渡守の名を見れば自動的に「すけべじじい」のルビがふられるようになったといいます……私だけ?(笑)

羅山にも忘れず仕返しをしたところで、あらためて名乗りあうふたりですが。
「……俺は……猿飛佐助だ……」
「わたしは柳生佐久夜じゃ」
この時のおふたりを見ていて、私も心の中に「ある気持ち」が存在していたのに気づきました。それはひょっとしたら錯覚かもしれないし、見当違いなのかもしれない。でも、あるいは……。
――この時点ではまだはっきりとしなかったので説明できませんが、おいおい書かせていただきます。
で、佐助さんと佐久夜さんとで力をあわせて牢から脱出していくわけですが、見ていて、自分の中で抱いていた佐久夜さんのイメージが少しずつあらたまっていきました。
佐久夜さんって、ひとたび剣を抜けばそれこそ怪物的な強さを発揮しますけど、そればかりではなかったんですね。
真田の人が自分の想像と違っていたと知れば素直に感服したり、佐助さんの言葉に「良かろう」「承知した」とひとつひとつうなずく姿にも、読んでてとてもほほえましくなるものがありましたし。
捕らわれる際に「柳生の姫なんかと」と想ってた佐助さんもそれを改めるほどで、こういう気高さや少女らしい面も持ち合わせていて、そこがまた佐久夜さんの神秘性を引き出していて。最初の印象が強烈だったせいかもしれませんけど、決めつけてしまったことを、私も少し反省しました。
さらには隠しておいてもいいのに「手紙」の手がかりを与えたり、それに、佐助さんに「聖天堂から石見守を奪ってみるがよい」と稚気ある挑戦までして!(ひゃあ)
今度お逢いできた時は、好勝負が期待できそうですね。

おふたりが無事に牢から脱出したその時、涼風の通り抜けたような爽快感があったのを、今でも覚えています。

一方のお由利さんも、幸村さんの秘策にのっとって、いい働きをしてくれてましたよね。
〈万字崩し〉、お見事でした…!!
これでお由利さん、正式に〈真田十勇士〉の一員になったんですね! 羅山のもとを逃れるように離反して、つらい過去も抱えつつまだなじみの浅い面々との活動ですけど、でも真田のみなさんなら、あたたかく受け容れてくれますよね。佐助さんも認めてくれたんですから。まずはよかった!(笑)
ただ、お由利さん、術かけられすぎのような……。大丈夫なのかしら、イロイロと。脳に悪影響とかないのかなあ。幸村さんが、施術するのと同時に、羅山のは解術してくれてるといいのですが。

ところで。
私、登場人物の性格や言動には気をつけている方です。読んでいて次はどう出てくれるのか楽しみですし、作品内に書かれている以外にも想像するのは面白いですから。
しかしこの時の佐助さんの言葉にはぶったまげました。正直に。それはもう口に飲み物を含んでいたら10m先にまで噴射してしまわんばかりに。
……だってさ。言ったよ!?
「俺の友達の才蔵なら」って!!
笹子峠では仲間の死を悼んでいた佐助さんが! あるじの命に飛んでかけつける佐助さんが! 軽口で佐久夜姫をあしらってた佐助さんが!
さ・す・け・さ・ん・が・っ!!
ぜえ、ぜえ…。
はあ、はあ…。
……………
……………
だって佐助さん他の人を引き合いに出したことなんてこれっぱかしもなかっ(ケイトさん落ち着いて!)
……ええと……なんかもう、しばらく呆けてしまってました(苦笑)。とにかくびっくりした……。

さて、本編に戻りまして。
順番が前後してしまってついでのようなところですが(スミマセン)、
「佐助、甚八。……お由利さん。みんな、全然連絡よこさないで。一体、何やってんだよう」
伊三入道さん待ちぼうけ(笑)。
「身の丈六尺の豪傑」は知らず(笑)、退屈をもてあまして火を飛ばされてますけど…ただ、美人な伊三さんのことですから、通りかかった男どもはちゃんと眼にとめるんですよね。でもまわりを飛んでる火のせいで近づかないんですよね、きっと(笑)。
だけどこの時、伊三さんがちゃんとお由利さんの名前を、それもさん付けで呼んでいるのには、ビックリしながらも嬉しかったです。少しずつ認められているんだなあ、と。
でも、ひとり認められている反面、ひとりが見放されて。
佐助さん、やっぱり甚八さんとは決別してしまうのでしょうか…。
羅山の「甚八か佐助か、いずれの者にかけた術が〜」という科白も聞こえているはずですから、強がるような言葉の反面で信じてくれているといいのですが。

で、新たな手がかり、大久保長安の自分宛書簡。
ここでこれまでの筋立てをまとめておくついでに、いったん本を閉じて、天海僧正による謎解きがおこなわれる前から直感だけで憶測してしまいましたが…。
自分なりに考えた結果、
「正は我なり。反は汝なり。合すれば、革まるべし。
 全ては青蓮華に訊け。」
大久保邸黒帝星苑には、青い蓮華――うとぱらの花が咲いてましたけど、あの花がこそが「もうひとりの長安」を呼び出すカギなのでしょうか。「青蓮華」は長安じしんがつけたネーミングだから、間違いなさそう。だとすると文面は、「本当の『大久保長安』は自分で、お前はニセの人格だ」という意味あいに? 大久保長安は立川流の関係者。海野さんの〈後やぐら〉に出て来た青色がこの蓮華を示しているのだとすれば……うわあ何だかそこはかとなくいやな予感が。
そして、もっとも気にかかる最後の1行…。
「二つの佐の字、拾うも同じ。」
……「佐久夜姫」と「佐渡守」ではないですよね…?(ありえねええ)
冗談はさておき…この中の「拾う」って、動詞ではなくて、「佐の字を持たない、佐助さんたちと同じ星の持ち主」という意味なのでしょうか。
それが羅山が二十八宿盤で導き出した星宿図の人物だとすると、それはもしかしておひろいさま――秀頼公のことだったりするですか…?
……まさかね。あのうら若き大坂城主が妖教立川流に関連しているだなんて、そんなスキャンダラスなことが――
         ――ありそうで怖い。
どうしよう……。
直感にもとづいた推測ですけど、自分の直感ってヘンなトコで当たるからなあ…。
これらが全部当たってたら、幸村さんの想像ドンピシャですよ…とんでもないことになりますよ…。

聖天堂。即ち「秘法 変幻青蓮華」の章なのですが。
目次に眼を通した時から、「この章には何かある――」と直感していました。
不気味な感覚。見たくないのに見てしまうような、あの……。
小笠原さんの、
「だが、見たことか。姫様は自力で脱出され、」――
という科白に、普段であれば
「脱出どころか貞操の危…イエ、何でも……。(剣呑剣呑)」
と返すところなのですが。
天海僧正による謎解きの委細詳細も、歴史伝奇的な事柄が含まれているからデザートを前にした子どものように大喜びするところを、今回は聞きながらも心が晴れませんでした。
〈第五之書〉をひも解いた時――
もしかしたら、既に包まれていたのかもしれません。
書面から妖気が漂い出してくるような、そんな、じわじわとした恐ろしさに。
読んでいくうちに、それは身のふるえに変わってきました。
脳の奥で、赤い光が明滅し始めました。
そして――
「さあ、煙を吸え。吸えといったら吸うのだ」
ああ! ああ!
とうとう、してはならないことを!!
やはり、海野さんの〈後やぐら〉は、あの自分宛書簡は、大久保長安という人物がふたつの人格で構成されていることを示していたんですね! そして、彼を目覚めさせるカギこそが、あの運命の蓮――うとぱらの花…。
ついに覚醒したその姿――腰元の生気を吸い尽くし、それを力として己にみなぎらせている姿に、戦慄してしまいました……。
妖教立川流の奥儀を用いて豊徳両家を裏切って秘事を奪い、石田三成をして「悪魔」といわしめたあの大蔵大輔こそが、今ここにいる大久保長安なんですね…!
これほどの魔物であるなら、大久保さんが拷問に合いながらも知らぬ存ぜぬを貫き続けたのにも得心がいきました。聖天堂での躍起ともみられる抵抗ぶりも、決して覚醒させてはいけない、その復活を何としてでも阻止しなければならない、という一念からだったんですね。
それが察せられて、知らず、歯軋りがもれていました。
柳生の人たちも、天海御坊も、ろくに考えもなしに……まったく、馬鹿なことを…!!
佐久夜姫も黒星帝苑で一輪とってましたけど、まさかあの花がそんなおそろしいものだったなんて……。想い返してみれば、佐久夜さんの性格が、黒星帝苑で大久保さんを捕えた当時と、再び黒星帝苑で佐助さんと対峙して以降とでは、いささか違うような。個人的な感覚かもしれませんけど、何だかそんな気がして…。これももしかすると、青蓮華のかおりによる作用だったのでしょうか。
佐久夜さんの危機に駆けつけた佐助さんたちも、ことごとくあしらわれてしまって…。
「見たか、佐久夜。これこそ、わたしが、お前の父という証だ」
「分かったか。猿飛、これぞ、わたしがお前の父である何よりの証だ」
すべての事柄を演出していた、こんな化け物が相手だなんて…!
勝 て な い 。
胸に浮かんだ想いを慌てて打ち消しましたが、でも、相手はただひとりのはずなのに、あきらかに佐助さんたちは劣勢。余人はまったく手出しを許されないこの魔戦において、
(ちくしょう…ちくしょう…!!)
悔しくて仕方ありませんでした。
人間はみんな、誰でも――海野さんたちのように――結局は星の言いなりになるしかないのでしょうか。
そんなことはないと信じたくて、でも自分なんかでは否定できなくて、佐助さんがやられそうになっているこの時も誰も止めることはできないのかと悔しがるばかりでしたけど……
しかし、想わぬ方向から援護の手――甚八さんの巫蠱毒!
「長安、星がつかずとも、俺は貴様を倒したぞ。人間、星なぞに操られている訳ではないようだな」
まさかこんな活躍を見せてくれるとは…!
ミイラ取りがミイラになってしまったいま現在の甚八さんですけど、彼のこんな見せ場は嬉しかったです。私の心を読んだかのようなこの科白も(笑)。
でも……
よかった…よかったよ〜…。(へなへなと崩れ落ち)
目下は羅山の麾下にいますけど、それでも、彼は彼なりに、少しずつこの状況を、羅山の術を打破できるだろう、だからまたきっと、もとに戻れる――そう考えて、待つことにしました。
そして、この場のシメ。
「そっちが来るまで、待ってられるか。この阿呆!」
脱出成功!
ひゃっほーう、と声をあげそうになってしまいましたよ♪
やったぜ活取火、さすが伊三姐さんです…!!

……………
安心した途端に、どっと疲れと、ちょっと疑問がわいてきました(笑)。
なぜ長安は、大久保さんを表に出して、身の内に引きこもってしまったのでしょう。時おり手紙で指示は出していたみたいですが。そのあたりが解かれずじまいのままでいまいちスッキリしませんが、これものちのちに明らかにされるのでしょうか。
(※区別のため、以降は、温和な方を「大久保さん」、化け物の方を「長安」と呼ぶことにします)

さて! 十蔵さんとも合流できたことですし、残るは『茶入れの謎』ですね――とか想っていたら。
才蔵さん、十蔵さんほっくらかして消滅してしまってるしさ〜。(ブツブツ)
そしたら佐助さんが、
「……才蔵は女好きだが、務めを忘れて遊女買いに行くような奴じゃない筈だがな」
あう…ッ(痛)。うーん、何だかこのふたりの間には、想像以上に強い絆があるような……てゆーか佐助さん問題発言多すぎ!!
……今回の作戦において、幸村さんが佐助さんと才蔵さんを一緒にしなかったのは、とても正しいと想いました…。(ゴフリ)
「思い返せば『燦星秘傳』をめぐりし此度の争いには、その基底に全て共通いたすものがあった」
イヤそれよりも! ……天海御坊、よく生きてんな。(やっぱ化け物だ…)
林羅山陣営には何だかどこかで見たような(笑)怪剣士・京極内匠が加わって、戦力が整いつつあるモヨウ。
野干獣もその鼻面を転じて。
みな、目指す先は同じ。

富士へ――青木が原の樹海へ。

到着するなり、三々五々にそれぞれ散らばっていった佐助さん、伊三さん、お由利さん、十蔵さんですけど。
はやくもそこかしこで闘いが始まっていますね。
まずは淡々と片を付けた銃蔵さん(上手いこと言ったつもり)の手際にはさすがだなあ、とため息がもれました。……やっぱり、手妻師、向いてるかも(笑)。
佐助さん対小笠原さんも、なかなかの好カードでした。
小笠原さんは速攻で決めるタイプなんですね。早く決着をつけなければならないからか繰り出す攻撃の数も多いみたいですが、持久戦に持ち込まれると唐陰殺刃はあきらかに不利な技。最初こそ防戦一方の佐助さんでしたけど、体質と運動量においては実質有利だったんですね…。
そして、
「目下は戦さの最中でな。こんな手も使わねばならん。許せよ」
キャッ☆(←イヤ、キモイから)
でも、佐助さんの科白には素直に笑ってしまいましたよ。
お・小笠原さん……だいじょう…ぶ……?(おそるおそる)

三つ巴のサバイバル戦が展開される中、ひときわ異彩だったのが佐久夜姫でした。
次々に襲い来る根来忍者を羅刹のように斬っては捨て、くもりない凄烈感をまとうように漂わせている佐久夜姫。
私も身を固くしながら、伊三さんやお由利さんの心理がよく理解されました。
そこへ「だあッ」という気合とともに飛び込んできた佐助さんは、カッコよかった…!! 佐久夜さんを蹴りつけざま戦闘態勢に構えて、ものすごくりりしかったですよ。
しかしビックリしたのですが。
佐助さん、伊三さんとお由利さんスルーされてましたよ…。
「大丈夫か?」とか訊かれないのでしょうか。いちおう殺される寸前だったのですが。
でも、それどころではないから、それも仕方ありませんよね。
「会いたかったぞ、佐助」
「今度こそお転婆にお灸を据えてやる」
ここまで喜色を表に出されちゃあ…(笑)。
佐久夜さんはわざわざ鉄扇を返されまでしてましたし。
もう、ある意味、ふたりの世界?
……茶化しはともかく、おそらく本多佐渡守の屋敷で「正々堂々と」という約束を交わして以来、秘巻争奪とは別に「自分たちの勝負の決着をつけたい」という想いがあったんだと想います。さんざん邪魔が入ったり、戦うどころではない状況に置かれたりして、ずっと中断したままだったために。
「新陰流猿飛の法のうち、月見――」
「……新陰流天狗秘法、八重椿」
互いが向かい合って獲物を構えた時、私もぞくぞくしながら、はりつめた空気を体感していってました、が――
どうして羅山陣営がいつも邪魔するですか。(あああ……)
まだ刀も合わせてないというのに……。
「動くな。動けば、わしの団扇一つで、うぬらは皆殺しじゃ」
や か ま し い 。
「子曰く、智術の士は必ず遠見にして明察なり、と。真に偉大な術者とは一切を終わりまで見通し、その最後まで考慮し尽くす者なのだ」
まさかそれが自分だなんて死んでも言わないでいただきたい…。

伊三さん、お由利さんふくめ、ことごとく捕らわれてしまって。
残る人たちが気にかかったのですが、十蔵さんと小笠原さんはともかく、
「半蔵めは逃げ去ったようですから、これで全てでございますな」
御家の汚名返上のチャンスに何やってんだあの人…。(ひたいに手を当てつつ)
侮蔑を投げつけられるばかりか嘲笑悪罵まであびせられ、そのうえ犬の真似までさせられて……。
林羅山といい大久保彦左衛門といい、ったく、この陣営はどいつもこいつも……。
(……畜生……なまじ面の良い男ってのは、どうして、みんな、こうも根性が腐ってるんだよ)
ホントにね! まったくね!(中指を立てつつ)
でも――京極さんの言、何か違和感みたいなものがあるような気が。それがなんなのかはハッキリしませんけど、彼の言葉は本質的には、あてこすっていないただの軽口、そんな感じがするんです。
どうしてそんな感じがするのかは解らないけれど――。

佐助さんたちのみならず佐久夜姫までもがはずかしめを受けて、さらに小笠原さんが――
柳生の家に養女としてあずけられて以来、剣術修行に打ち込んできた佐久夜姫でしたけど、そんななかで出逢った小笠原さんの存在が修行の辛さや孤独をやわらげていたんだと想います。
「姫、御安心を。小笠原慶雲、只今推参仕った」
茶入れのかけらにも気を使うくらいで、どんな時も佐久夜姫を第一に心配していて。だからきっと、主や師父に言われてきた以上に、彼のなかで「姫さまをお守りする」という気持ちは大きかったんだと想います。
「姫を侮辱したは、貴様かッ――」
もしかしたら、姉と慕う佐久夜姫を生涯をかけて守り通すと、本人の前で誓ったこともあるのかもしれません。――そんな、おさないころからのふたりの姿が、浮かぶようでした。ですから、
「小笠原は、慶雲は、私の弟も同然だった。たった一人しかいない弟だったのだ」
失ったその悲しみは、痛いほどに伝わってきました。……
烈火のように怒っていた小笠原さんの心を知り、名前で呼ぶほど我を忘れていた佐久夜さんの心は。
「愁嘆場は芝居を湿らせる。わたしは湿った芝居が大嫌いでな」
だからこの時はむしょうに気分が悪くて……。こいつのはげ頭をきりひらいて脳みそに「馬鹿」と書きなぐってやりたくて仕方なかったです。

こんな腐ったやつに仕切られているこの状況を、何とか変えなければならない。だけどとうとう隠し蓋が見つかってしまって……。
もう、このままなすすべもなく、秘巻が羅山のものになるのを見ているしかないのでしょうか。こんなやつにすべてを奪われて、豊臣もそして真田もほろぶしかないのでしょうか。
ハラハラしながら見ていたのですが、そしたら――
十蔵さん、ナイスタイミング!
まさかこういう仕掛けがあろうとは…!! 硫化水素(と、考えて大丈夫なのでしょうか?)が噴出する前に佐助さんたちの避難は成功してたみたいですし、十蔵さん、大活躍ですね!
もう、羅山の悔しがる顔が眼に浮かぶようですよ…。
どーこが「一切を終わりまで見通し」てるんだよ。ざまあないや!
しつこく生きてるみたいですが、少しは気分が晴れました。あー、スッキリした♪(笑)

そして、いよいよ本当の秘巻の在り処を探り当てるわけですが。
「俺たちで掘るから。お前らは佐久夜を見ていてくれ」
個人的には佐助さんについててほしかったのですが、伊三さんたち女性陣に土仕事させるわけにはいきませんし、十蔵さんひとりに重労働させてはなりませんし。そう考えた上でのご判断だったんでしょうけれど。
ああしかし。
伊三さんも由利さんも、「何で柳生の姫なんかを」と毒づいてもよさそうなところを、しっかりと護衛する形で、佐久夜さんにつきそってくれておりましたよ…。佐助さんの、そしてきっと佐久夜さんの心も察してくれてましたよ……。
反対側で残飯あさりの犬よりも世にもあさましい光景が繰り広げられているだけに、伊三さんお由利さんの行動は本当に嬉しかったです…!!

燦星秘傳。
その内容は決して、人が知るべきものじゃない。使用していい知識じゃない。
知れば必ず使いたくなり、そして使えば絶対に世は戦乱に陥る。
豊徳の戦に関わる大秘事が記された巻は、佐助さんが握る〈吽之巻〉みたいですから、幸村さんに任せれば必ず、しかるべく正しい判断を下してくれる。そう想って間違いないでしょう。
しかし、羅山が、彦左衛門が狂喜する〈阿之巻〉には、恐ろしい術が……。
こんな腐ったやつがこの秘巻を恣意に使えば、大変などころではなくなる。
じりじりと、それが危惧されて仕方ありませんでした。……
「だったらよ、儒者先生。気を許してた用心棒に裏切られる術ってのは巻物に書いてあったかい」
――え?
「最初っから、俺は佐々木小次郎なんかじゃないと、そう言っていただろう。手前らが勝手に間違えたんじゃねえか」
じゃあ、その口調……。
「今、見せてやるぜ。信州真田に鎌倉の昔から伝わっていた望月流変装術。その宗家、望月六郎おっさんの直伝だ。とくと見やがれ――」
まさか…まさか……。
「俺が霧隠才蔵だ」
ひゃー!!
もう、こぶしを振り上げてしまってましたよ! なんだよ! なんだよなんだよ!
ちくしょー、なんてカッコいいんだ…この真打ちめ!(立てた中指をひっこめつつ)
羅山の手首をはねて、さらにさらに、
「一枚が二枚、二枚が四枚、四枚が八枚……」
いいぞ、もっとやれ!(笑)
まったく! こっちの肝を消すような登場するし、詩まで歌ってひとりいいトコ取っちゃって、ホント、
「気障ッ」(伊三さん)

とりあえず、秘法〈立鼎〉の発動は逃れましたけど……
でも、羅山の脳のつくりは凡庸ではなさそうだから(いやだけど)、次回まみえた際に使用されないとも限りませんよね。どうだろう、微妙だなあ……。
失神したついでに記憶から飛んだりとか……ありえませんよね、そうですよね。(←そんな御都合主義…!)
戦々恐々としつつ、今後も、間違っても発動しないことを祈ります。

そして……
「あいつは……佐久夜の弟同然だったんだ」
同じような境遇で生まれ育った佐助さんだからこそ、佐久夜さんのその気持ちはよく解ったに違いありません。だからきっと、「小笠原の仏前に巻物をそなえたい」という心情も。
何より、
(林羅山。……貴様は……貴様だけは許せんぞ……貴様だけは許せない……)
あの時の怒りは、きっと、佐久夜さんのためだけのものではなく、ずっと彼女につきしたがって守ってきた小笠原さんのためのものでもありましたから……。

おふたりが向かい合った時、回想するように、脳裏に浮かぶシーンがありました。
佐助さんが黒星帝苑で佐久夜さんに出逢った、本多佐渡の屋敷に囚われた夜――。
それは、数奇な運命のつながりで。
あの夜から数日と経たないうちに、再びこうして相見えることになったわけですが…。
見当違いかもしれませんが、私は、佐助さんと佐久夜さんが互いに対して抱いている複雑な感情のなかに、もしかしたら「安心感」もふくまれていたりするのかなあ、と考えてしまいました。
生まれた時から独りで血のつながった親兄弟はいなくて、代わりに支えてくれる仲間がいて。だけどそれ以上に強い、運命的なつながりを持った相手――ずっと探していた誰かにめぐり逢えた、ひとりじゃなかった、そんな、安心感が。
だから、このふたりが一緒にいられる場面を見てると、私も何だかほっとできるものがあったんです。たとえそこが戦場でも、刀を向け合う間柄でも。――戦い合わなければならないさだめでも。少しずつ、通じ合えているように想われて。
そして、今。
おふたりが見出された、自らが戦っていくことへの「決意」が、はっきりと耳に届きました。
「わたしは、わたしの戦いを、今という時代で戦い抜きたい。それだけだ」
「……とりあえずは大坂で暮らす人のため。こんな時代になっても、大坂で――秀頼公のもとで暮らす人々のために。いや、大坂でなければ暮らせない人たちのために、戦うことにしたよ」
決着がついたその時、自分の心もあらたまっていたのが解りました。
決めました。
物語の結末だけじゃない。
これからも続く戦乱の中で生きる、おふたりのその姿を見届けたい、と。――

ところで。最後に才蔵さんがとんでもないことを述べてくれましたよ……。
「佐助な、あいつは腕は立つが、女のことはからきしなんだ。ひょっとすると二十三になるのに」――
……佐助さん、23歳!?
そんな! そんな!
私てっきりまだ10代だとばかり想ってたのにい〜!!
しかも自分の方が年下だなんて、うっそだコレ絶対サバよんで(やかまし)
……「俺の友達」の才蔵さんは、佐久夜さんにはどう映ったのかな…。
そして、また会うであろうこのふたりの名を呟き、小笠原さんへの哀悼を終えてひとり歩き出す佐久夜さんの胸には、どのような気持ちが広がっていたのでしょうか。
もうすぐ、夜は明けて――

……いま気づいたんですけど、甚八さん、アウトオブ眼中?(ええー)


樹海での死闘の後――
江戸では大久保家家中の者がことごとく処刑されて、波乱の種は尽きたかに見えますが、当の長安がまだ生息している限り安泰はなさそうですね。
一方の大坂城でも、ひとつの不穏分子が。――
豊家の紋を記した妖香の袋の持ち主は、淀君か。重臣らか。
それとも……まさかとは想いますけど、豊臣秀頼という人物はうとぱらで変幻する「ばか殿」と「賢君」の二重人格だったりするのでしょうか。……いずれにせよ、この香袋の持ち主が大坂城内にいるということは、獅子身中の虫、これからも気を抜いてはいられませんね。「長安の手紙」もまだ完全には解かれずじまいですし……。
ていうか。
「こいつはヤバイや。ヤバすぎる」とか言ってた小助さん、何なんですかあなたその笑いよう!
ついさっきまで神経性胃炎患者そのものの顔してたくせに…ええいこのゲンキン者め…!(笑)

今回の秘巻争奪は、ただの前哨戦。
残された〈吽の巻〉をもとに、これからどんな争闘が展開されるのでしょうか。
『燦星秘伝』とは、そこにしるされた大秘事とは、いったい何なのでしょうか。

星辰はめぐり始めたばかり。

徳川方は、柳生側と本多側の表向き政的対立はさておき、佐久夜姫は決して悲しみに沈みっぱなしでいるような性格ではないので、これからも大いに剣技を披露してくれそうですね。見れずじまいの〈八重椿〉も今度は拝見できるのでしょうか。
林羅山や天海僧正、大久保彦左衛門たちくせものの動向は自分でも今後とも要注意でいこうと想います。春日局たち名前のみ出て来た人物たちもいずれ舞台へ上がるのでしょうか。
洗脳された甚八さんの記憶はどうなるのでしょう。真の自分と羅山の術との間に揺れている状態ですけど……また真田庄に戻って、十勇士に復帰してくれるといいのですが。
そして豊臣方。幸村さんは今回ほとんど謎解き役に終始してましたけど、密書もちゃんと渡ったことですし、次回からは前面に出てこられるのでしょうか。
十勇士のみなさんのこれからも気になります。
佐助さんに大活躍していただくのはモチのロンとして、佐久夜姫や才蔵さんとのカラミも大いに期待できそうですね。あと個人的には筧十蔵さんも。それに、今回見られなかった清海さんと伊三さんの兄妹っぷりも、是非!(笑)
ついでに(ついでかよ)、妖獣となった長安も、双方を想う存分ひっかきまわしてくれそうですね。
登場する誰一人として、今後も眼が離せません!


では、次の夢を見るその時まで。――まず今日はこれ切り。

−−−−− ケイト

絞り込まない | タイトル一覧 | 検索フォーム表示 | 作品追加
絞り込み ア行 カ行 サ行 タ行 ナ行 ハ行 マ行 ヤ行 ラ行 ワ行
作品の追加要望・ご意見・ご指摘等は管理人までお願いします。
もどる
K-REVIEW